裁判所に破産手続開始・免責申立書を提出して,破産手続開始決定をもらうことです。免責決定をもらい,債務を免れるために,自己破産をします。
現在の収入で,毎月の債務が滞りなく支払えない状態の場合です。
収入が極端に少ない場合には,債務が50万円〜100万円でも自己破産ができます。
同時廃止事件と管財事件があります。
20万円以上の財産も免責不許可事由もない人で,偏頗弁済など破産管財人に否認される行為をしなかった人の場合の手続です。同時廃止事件では,破産管財人が選任されません。
@20万円以上の財産がある人,A免責不許可事由がある人,B偏頗弁済をするなど破産管財人に否認される行為をした人の場合の手続で,破産管財人が選任される場合です。
裁判所から選任される弁護士であり,破産者の財産を管理,処分して債権者に配当すること,破産者を免責させてよいかどうかを調査することを職務としています。
借金の原因がギャンブルであった場合,借金の原因が浪費であった場合,嘘をついて借金をした場合,立替契約で購入した商品をローンを完済しないうちに売却したり質屋に質入れした場合などです。
免責決定を得ることにより,借金を支払う義務をなくせることです。
債権者から請求されるというストレスから解放されます。
借金の返済にあてる分を貯金したり,自分の欲しいものを現金で購入することができます。
自己破産によって,人生をやり直しするチャンスになります。
@官報という国の出す新聞に,氏名,住所,破産した事実が記載されます。A破産手続開始決定から免責決定が確定するまでの4カ月〜6カ月間位の間,警備員,生命保険の募集人,宅地建物取引主任者などの特殊な職業に就くことができません。B一度,免責決定を受けると,原則的に,7年間,もう一度,免責決定を受けることはできません。C信用情報機関に破産の事実が記載され,5年〜7年間は,事実上,借金やクレジットカードを使うことができなくなります。D99万円を超える分の現金や20万円以上の預金や20万円以上の自動車,20万円以上の解約返戻金のある生命保険契約,不動産などは,破産管財人が管理・処分します。
@弁護士と委任契約をします。A弁護士が弁護士介入通知をすべての債権者に郵送します。B弁護士は債権者から送られてきた取引履歴をもとに利息制限法に基づいて計算します。C弁護士は過払金があれば,過払金を回収します。D破産手続申立に必要な書類を準備して,弁護士と打合せをします。E弁護士が破産手続開始・免責申立書を裁判所に提出します。F弁護士が裁判官と面接をします。弁護士が裁判官と面接した際に,同時廃止事件か管財事件かが決定されます。また,その際,免責審尋または1回目の債権者集会の日も決定されます。G同時廃止事件の場合は,即日に破産手続開始決定がでます。管財事件の場合は,翌週水曜日に破産手続開始決定がでます(東京地方裁判所の場合)。H管財事件の場合は,破産者は,速やかに破産管財人の事務所へ行き,面接を受けます。I同時廃止事件の場合は,破産者は,免責審尋を受けます。免責審尋は,破産手続き開始決定の2カ月後です。管財事件の場合は,破産者は,債権者集会に出頭します。債権者集会は,破産手続開始決定の3〜5か月後です。J免責審尋や債権者集会の1週間位後に免責決定がでます。K免責決定がでた後,1ヶ月後に免責決定が確定します。
同時廃止事件の場合は,免責審尋の時に,1回,行けば足ります。
管財事件の場合は,債権者集会の度に,毎回,裁判所に出頭しなければなりません。原則的に,債権者集会は,1回で終了しますが,破産管財人の業務が終了しない場合は,例外的に,2回目,3回目の債権者集会が行われることがあります。
同時廃止事件の場合は,収入印紙1,500円,切手4,100円,予納金10,584円。その他,弁護士介入通知の切手代,弁護士費用。
管財事件の場合は,収入印紙1,500円,切手4,100円,予納金16,550円,破産管財人に納める20万円,その他,弁護士介入通知の切手代,弁護士費用。
毎月5万円の分割払いが可能です。
原則的に,破産手続開始決定の日の前に行くことになります。日程の都合がつかない場合でも,できる限り,早い日に行かなくてはなりません。
弁護士介入通知とは,弁護士が自己破産,民事再生,任意整理などを受任したことを債権者に通知し,取引履歴を開示すること,今後,債務者本人に支払請求をしないように申し入れることです。貸金業者は,貸金業法によって,弁護士から弁護士介入通知を受けた場合には,債務者本人に支払請求をすることが禁止されています。それで,貸金業者は,弁護士介入通知を受け取れば,それ以後,債務者に対し,支払請求をすることはなくなります。貸金業者は,取引履歴の開示する義務を負っていますので,弁護士介入通知を受け取れば,取引履歴を開示してきます。
破産者が法廷に出頭して,住所,氏名,本籍の変更や破産手続開始申立後に事情の変更があったか,について確認する手続です。債権者も連絡を受けて,出頭することができます。
破産者が債権者集会場に出頭し,破産管財人の調査の結果の報告を受けたり,免責の可否について意見を受ける手続です。債権者も連絡を受けて出頭することができます。
税金やわざと他人に加えた不法行為に基づく損賠賠償請求権など免責されない債権もあります。
正直に,誠意をもって自分の状況を裁判所や破産管財人に説明すれば,免責決定がでるはずです。しかし,嘘の説明をすれば,免責決定がでない場合があります。
自己破産をし,免責決定を受けても,債務の支払義務がなくなるのは,破産した本人のみです。保証人は,支払義務を負います。
同時廃止事件の場合は,海外旅行に行けます。
管財事件の場合は,破産手続中は,破産管財人の許可がないと海外旅行へ行くことはできません。
自己破産したことは,戸籍謄本や住民票には記載されません。
自己破産をしても,選挙権はなくなりません。
同時廃止事件の場合は,引越しができます。
管財事件の場合は,破産手続中は,引越しには,破産管財人の同意が必要です。
会社が従業員に対し,自己破産を理由に解雇しても,その解雇は無効です。
自己破産の法律上の効果は,自己破産した本人のみに及びます。
家族の信用情報に影響はありません。
自己破産をしたことを理由に,マンションの賃貸借契約を解除することはできません。
自己破産をすると,取締役の退任事由になりますが,再度,株主総会で取締役に選任されれば,取締役になることができます。
同時廃止事件の場合は,郵便物は,本人のところに届きます。
管財事件の場合は,郵便物は,破産管財人へ転送され,中身をチェックされます。その後,破産管財人から郵便物を受け取ることになります。
同時廃止事件の場合は,そのまま自分の財産を持っていることができます。
管財事件の場合は,99万円以下の現金を持っていることができます。時価20万円以下の財産も持っていることができます。日常生活に必要な家財道具を持っていることができます。
自己破産した場合,信販会社に,立替払契約した商品を返還しなければなりません。
原則として,破産管財人が生命保険契約を解約し,解約返戻金を管理・処分します。
会社を退職する必要はありません。退職金見込額が20万円を超える場合は,退職金見込額の8分の1を破産管財人に納めなければなりません。
破産手続開始決定後の収入は,破産した本人が自由に使えます。
自己破産 (個人の方) 破産申立から免責まで債権者数にかかわりなく 198,000円消費税込 |
管財事件 (すべての法人・財産のある方) 破産申立から免責まで債権者数にかかわりなく 297,000円消費税込 |
個人再生 破産申立から免責まで債権者数にかかわりなく (住宅ローン特約なし) 407,000円消費税込 |
個人再生 破産申立から免責まで債権者数にかかわりなく (住宅ローン特約あり) 506,000円消費税込 |
任意整理 1社あたり 44,000円消費税込 |
過払金請求 1社あたり 44,000円消費税込 +過払い返還金の20%と消費税 |